いろんな形
法事での出来事。
お寺で、もうすぐ読経が始まるって時に私の叔父が隣で声をあげた。
「カモン!BBA 」
そう言われて、叔母はノコノコ笑顔でやって来て叔父の隣に着席。
親戚はクスクス笑っていたけど、私は密かに凄いなと感心。
愛と諦めが混在していて、それでいてちゃんと家族なんだな〜と。
叔父は背も高くスラッとしていて、誰が見ても男前。絶対にモテていたハズ。
対し叔母のルックスは、背も低くく歩く度にドスコイ!ドスコイ!と聞こえてきそうな位に残念な感じ。
2人の仲は本当のところは良く分からない。
だけど、カモンババァで呼び寄せて隣に着席させるからには、家族の歴史があり簡単には壊れない強さを感じた。
法事中....不謹慎ながら私は頭の中で、またまた妄想暴走。
彼もこの夏、法要があったハズ。
家族全員で泊まり掛けで法要に参加するハズ。
法要って親戚の集まりの代表みたいなもん。
一家の大黒柱として参列する彼はどんな顔しているんだろう。
「家族」と言う纏まりの中で、グルーピングされセレモニーに参列し、その後行う会席やらでは、やはり親戚同士のお付き合いを行い、お互いの家族の成長を見せ合ったり、近況報告しあったり幸せそうな絵しか浮かんで来ない。
1ミクロンも私とは交わる事がない。
やっぱり私は、都合のいい女。
親戚同士の中でも、人見知り発動し私はポツン。
父の後を金魚の糞のように追ったが、そんな私の気持ちは誰も気付かず。
会席時には弟ファミリーの前に座ったが、1年ぶりに会う実の弟にすら目を合わせるのが、苦痛な位に人見知りしてしまう。
何を話せばいいのか、本当にわからない。
コミュ障かよ!!!
平気な時は全然大丈夫だけど、精神バランス崩すと実の弟にまて人見知りしてしまう。
本当に私は厄介な人間だ。
お酒の席で、話は私が長い間再婚しない理由で持ちきり。
そして、親戚一同で婿探しをすると言う最悪な方向に話が進む。
従兄弟の兄ちゃん達が、具体的に自分の友達の中から、何名かピックアップまでしだす。
「結婚する気ないから...」と言っても小さな声は届かず、どんどん話が前に進んでしまった。
「彼氏いるんです!」とは言えなかった。
結局、お見合い大作戦は後日実行って事でお開きに。
カモンBBAってのは、愛人には掛からない言葉だ。
カモンBBA扱いを彼がしてくれる日が、来世だったとしたら現実見ないといけないのは重々承知。
死んだら、好きな気持ちはなくなるのかな。
棺桶に入る時に、私は一体何を思うかな。
生きるのって、やっぱりつくづく難しい。
うまく歩けない。自分の人生なのに。