奇跡の軌跡

恋に落ちてしまった私の物語 / 私だけが独身

保温

夜中、現実が悲しくて彼に「いなくなりたい」とメールしてしまった。


きっかけは、私が作ったアクアパッツァ。

うまく出来たから写メを送ると「いつか食べさせてね」と返信。

「結婚してくれたら、いつでも食べ放題よ!

それが無理なら今すぐ食べに来て!」と送ろうとして、また気付いた。

どっちも軽いジョークだけど、絶対に叶わない2つな事に...

一人で食べるアクアパッツァは、味がしない程虚しくなって、結局返信出来なかった。


夜中なのに、

「また何か考えてる?それとも睡眠薬飲んだ?」と返信が来たのは、時間がだいぶ経ってから気付いた。


おはようメールをくれていた彼に薬は飲んでいなかった事を返信すると、すぐに電話を掛けてきてくれた。

「今日、お昼から会えるよ」と言われたけど、

「会わない」と言ってしまった。

えっ.....と電話越しの絶句に泣きそうになる。

困らせたいわけじゃない。

でも本当の気持ち半分。

「会わないけど、会いたい」

「どっち?」と彼。

多分今、仕事すごく忙しいのに、私の事が心配で掛けて来てくれてる。

会いたいと答えた。


お昼過ぎに待ち合わせした。

視界に彼が入るともうダメだ。

好き過ぎて、顔がほころぶ。


車に乗り込むと、すぐさま左手を差し出し、私の右手を欲しがる。

彼の左手に私の右手を重ねると、彼の右手が更に重ねられ私の右手をサンドする。

私の右手を大事そうに、両手で包み込んでじっと眺める彼。

私の最も好きな仕草だ。

愛しい気持ちはみでてるのが見える瞬間。

少し車を走らせ、今日のランチは焼肉に。

前から聞いてみたかった事を聞いてみた。

私と奥さんは性格似てる?

彼の表情が見た事のない早さで焦りの色を見せた。

彼はどんな質問でも答えてくれる。

それは今日も変わりなく、質問の意図を探りながら、言葉を選びながら話してくれた。

真逆ではないから似てなくもないかな。

ただ決定的に違うのは、雪は俺の話を聞いてくれるし、俺の意見を尊重してくれるよね。


んー?そんなつもりはなかったけど??


ああした方がいいんじゃない?

こうした方がいいんじゃない?って言うと、

そうだね〜って取り入れてくれるか、自分の思っている事と違っても、一旦受け入れてアレンジして取り入れているそうだ。


意識した事なかったけど、彼からしたら男を立ててくれていると感じるそう。

でも私からしたら彼の意見は的確で、いつもその通りなだけなんだけどな。

客観的に物事見れる人だし、ぐいぐい引っ張ってってくれるから、楽して身を委ねてるだけなんだけどな。

でも彼がそれを喜んでくれているなら、これは相性いいって事だ。嬉しい。


そうか。

恋愛の相性ってこういう事か〜。

普通にできる事が相手の喜びポイントであれば、これは相乗効果めっちゃ高い。

自動で加点されまくるじゃん。


車の中で不意に抱き寄せられ、頭を彼の肩に乗っけると、心が溶けた。

たったこれだけで、安心感が世界レベル。

抱きあいたいって言われ、ホテルへ。


私が口唇ヘルペス出来ているから、キスが出来なくて....悲しかった。

抱きあった後、彼に抱きついたまま少し眠ってしまった。

こんな風に男の人に抱きしめられたまま眠った事、本当にない。腕枕はあるけど、抱きしめられて眠るとか、無理に決まってたのに...

彼に触れていると眠くなる。

全身の筋肉が緩む感じ。

起きると、5月に有休取れるから1日ゆっくり遊びに行けるよと嬉しい報告してくれた。

嬉しい〜!


お泊まりも、旅行も言い出せないままだけど、彼から有休取るから遊びに行こうって言ってくれた。

さすが彼だ!!!

大好きだ。

私の旦那様にしてやってもいいぞ!とは言えないな。


帰り道、「ところで、なんで貴方は結婚してるの?」と言ってみた。

「タイミングの問題だけだよ。」

「出会った11年前に俺が独身で、雪にも彼氏いなかったら間違いなく一緒になってたよ。全てはタイミングの問題だけだと思ってる。」


「(結婚生活の上でお互い)気持ちは冷めても、お湯と同じで80度や50度なら保温もできるけど、水になるまで冷めると保温はできない。少なくとも俺は元の気持ちには戻らないよ。そう思ってる」


彼の言葉を信じよう。今夜くらいは。

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