誘導尋問
彼が有休を取ってくれたので朝8時からスタート。
ここ数日、私のメンタルが不安定となり彼に構っていられず、電話もメールの返事もきっと私は塩対応していた。
車の中でも、いつもなら自分から甘えまくりだったのに、今日は自分からはいけない。
彼が手を差し伸べてきた時に限り、応えるように手を繋ぐ。
そんな私とは正反対で今日は彼がすごく甘えてくる。
常に手を繋ぎたがり、運転中なのに腰に手を回そうとしたり、頭にキスもいっぱいしてくる。
うなぎで有名な街に連れて行ってくれて、早めのランチ。
お腹がはちきれる程、うなぎ堪能。
そこから伊勢神宮へ。
内宮、下宮を周る時間まではなかった。
周るなら、どっちも周らないと神様に失礼だそうなので、おかげ横丁をぶーらぶら。
歩き食べをするつもりが、思いの外うなぎパンチが効いていて、ほとんど食べられず。
マンボウって食べられるんだ!
気になったけど、無難なホタテ串をシェア。
お日様の日差しを浴びながら、手を繋いで歩けた事でエネルギーが満たされたのか、ただ歩いているだけなのに、心が軽くなってきたのを感じる。
彼と並んで歩くだけでも、世界が色鮮やかに見えちまう私は幸せもん。
不安が全部消える。
人が沢山いるのに、2人きりの世界にいるみたい。
いつまでもこんな時間が続けばいいのに....
帰り道、彼に聞いてみた。
もし奥さんが浮気していたらどう思う?と。
かなりヘビーな質問。
前から聞いてみたかった。
「ムカつくかも」と。
当たり前の言葉に落ち込む。
ムカつくってのは、相手に対し気持ちがある証拠。破綻しているとムカつきもしないってのが、私が思うところ。
落ち込む私をみて、撤回するように「でも実際されたら、よっし!と喜ぶかもしれないし、ムカつくかもやけど、嫉妬はないよ」と。
要するに、「気が悪くなる、何してるんや」って気持ちだそう。
浮気する時間あるなら家の事してって感じなのかな。勝手な想像だけど。
自分がしている事は棚にあげて言いたい放題。
もし奥さんがあなたの望む全てを満たしだしたら貴方も応えるの?って「そうだね」と言えるハズのない質問を続ける。
「冷めた気持ちは戻らないよ」と、誘導尋問のような私が求めている答えを強制的に引き出す。
無理やり言わせている事を解っているから、私も結局全然満たされず無口になる。
そんな理不尽な私にさえ彼は優しく笑ってやり過ごし、包んでくれる。
片時も手を離そうとしない。
嫌がらせで痛いと小さな悲鳴をあげる位、力をこめて握ってみても、笑いながら手の甲にキスしてくれる。
帰り道「ホテル寄っていい?」と聞いてきた。
まだまだ心が硬くなったままだけど、真っ直ぐ帰すのも癪だったので部屋に入る事に。
シャワーを浴びなくても彼は平気で私を舐めつくす。私はそれが嫌だ。
いつも私がいいよと合図すると、彼がお風呂に入ってくるのに、今日は待ちきれなかったようで合流してきた。
私が、愛でてあげるからバスタブの淵に座るように促したのに、「俺がしてあげる」と、いきなり抱き上げ私をバスタブの淵に座らせ、強制的に脚を開けられた。
あっと言う間の出来事で、抵抗する間もなく私の真ん中に彼の舌が入り込む。
嫌だイヤだと抵抗しても、身体は彼を求めたようで気付くと、繋がっていた。
でも....なんだか、いつもと違う。まだ私の身体が彼を許していない気がする。
そう思っていると、「ベッド行こう」と急かすように促された。
濡れた身体を丁寧に拭く間も惜しみベッドへ。
いつものコトが始まったけど、やっぱり私はどこか冷静。反面彼の反応はすこぶる敏感で可笑しい。
「雪の中、なんでこんなに気持ちいいの?」と何度も言ってくる彼に意地悪したくて、引っこ抜いた。
そして愛でてあげると、本気で達してしまいそうになったようで、強引に私を抱いた。
程なくして、その瞬間に「なんで〜?今日気持ち良すぎるヨ〜」と叫びながら果てた姿に私は大爆笑。
なんか可愛くて♡
体液を出しながらそんな叫び声....あかん、可愛すぎるや♡
「雪、やっぱり今日俺おかしい...見て、コレ」って見せられた元気のない息子さん。
いつもなら2回目すぐ出来るのに、反応ないです...と困り顔にまた萌える♡
でも疲れた私はウトウトと。
今日は時間が3時間しかない。
少しすると帰り支度始める為にか、彼が部屋中の電気を点け始める。
と思ったら、「雪の身体、全部見せて」と言い終わらない内に私の身体の間に入り込む彼。
恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
彼が私を食べ始めた。
脳が痺れそうな快感が支配しはじめた。また気付いたら彼と重なっていた。
3時間は滞在出来るって言っていたのに、結局2時間でチェックアウト。
3時間でも短い...最低でも5時間希望の私は
2時間でなんかチェックアウトした経験がなく、淋しさマックスになりそうな気持ちを抑えつけた。
だって有休取ってくれたし、夜ご飯もおかげ横丁で一緒に買ったお寿司も食べれたし、お疲れ気味な彼を早く帰してあげないとと切り替え。
帰り道、今日の交わりは5割増しで気持ち良かったと言われた。
デートが楽しすぎたせいかな?と。
そんな風に言われると、全部許してまた会いたくなる。
彼を送り届け、帰宅した頃には日付け変わってた。
もう会いたい。
どこに行っても帰り道も同じで帰る先も同じで、朝目覚める時も、夜眠る時も一緒な彼女が羨ましくてたまらない。