悪魔
たまに現実に疲れて、すごく泣きたい日がある。
普段は、わざと感じないようにしている虚無感や不安のような物が胸の中でジワジワ広がり自分でコントロール出来なくなる。
昨日も今日もそんな日。
でも彼は女の涙をすごく嫌う。
だから、私は彼の前では極力泣かずにいる。
素直に涙出来れば流されるはずの感情は形を変えて彼に牙を剥く。
言ってもどうしようもない事を吐き、彼を困らせ、自らも自滅する。
誰が悪いわけでもない。
仕方のない現状。
2人共が悪い。
そんな私の毒牙をまともに受けても、彼は感情的にならずに、私を心配する優しささえ辛くなる。
「まだご機嫌斜めなの?」
ともすれば私の感情を逆撫でするかのようなデリカシーのない台詞でもあるけど違う。
全部解っているけど、私を満足させる言葉が言えないが故の代替えの言葉なんだと思う。
心の中で言う彼のゴメンねが聞こえてきそう。
謝られても、どうする事も出来ないから彼は敢えて謝らないんだ。
謝られると余計に私が辛くなるのを知っているからだね。
私だけを見て。
お願い、帰らないでよ って言ってみたい。
愛される事を望まず愛すことの難しさよ...
他人様に対する無償の愛って、そんな簡単じゃないな。
そんなわがままなんて1mmも言わないけど、態度が言っているようなモン。そっちのが最悪だ。
まだまだだなぁ。
こんなに好きなのに悪態ついてしまう自分がとてもイヤだ。