奇跡の軌跡

恋に落ちてしまった私の物語 / 私だけが独身

1人のお花見

彼から、たまには外に出た方がいいよ。

ワンコとお花見しておいで...と電話があり、重い腰を上げて、行ってみた。


..........。


家族連れや、カップル、グループばかりやん。

しかもBBQやってるから、桜が霞むくらいの煙といい匂い。

ムカつく。

ってか、急にめちゃくちゃ悲しくなった。

なんで私は休日1人なんだろう。

欲しかったのは、彼氏でなく家族なのに、人生の折り返し地点でも得られていない。


みんな楽しそうだ。

幸せそうだ。



空は青いし。


去年の今頃、ガンの宣告を受けたワンコ。

今年の桜を一緒に見るのが一つの目標だった。

それが叶ったのは、感無量。



ではあるけれど。


淋しさの渦に飲み込まれそう。


帰宅し、報告すると「悪かった。ごめん」と謝ってくれる彼。


彼は休日、奥さんや家族と出掛けたりするのかな。

買い物とか一緒に行ったりするのかな。

家族で外食とかするのかな。

毎日、食卓でみんなでご飯食べているのかな。

寝る時は奥さんと同じ部屋で寝てるって言ってたな。

旅行とかもたまにはするのかな。

これからやって来るGWや、お盆や彼の誕生日にお正月は、私とではなく家族と一緒に過ごすのかな。

いくら好きと言われても、現実は私は1人ぼっちだ。

そして彼は私より家族を大切にし、私といる時間とは比較にならない程、家族と一緒に過ごすんだよね。

最初からわかっていた事なのに、胸がずっと痛い。


想像するの嫌なのに、妄想でいっぱいになる。

自分から不幸になる道を選び取ったのに、嫌になる。


嫌すぎて、彼への態度が冷たくなる。

パターン

彼から仕事が早く終わったからと、私の住んでいる町まで電車で来てくれた。

どこからともなく現れ、私の車にサッと乗り込む彼。

私の車なのに、もう自分の車のように乗りこなしている。観察力が鋭い彼は、キーの位置も瞬時に理解し、いつもキーも彼が持っていてくれる。

駐車券なんかも、デート中は彼が管理してくれる。そういう風に、私の物を自分の持ち物のように扱ってくれると、なんだか嬉しい。

私は支配されたいのかもしれない。


今日はもともとお籠りデートの予定だった。

カラオケがついているホテルを探し向かった。

夜は蟹を食べに行く予定だったので、ランチはホテルのサービス定食を食べた。

ご飯を食べ終わり、いちゃいちゃしていると、止まらなくなり「このままシャワー浴びないままシテもいい?」と聞く彼。

電気も消さずに明るい部屋でだ。

エロい。実にエロい。

とは言っても私は出掛ける前にシャワーを浴びて来たので問題ないけどね。

普段なら絶対に嫌だ。とんでもない。


今日はエッチはしないよ宣言していたのに、気付いたら重なってた....

彼の身体に触れていると、すごく安らぐ。

体温が心地良い。

体温なんかにも相性とかあるのかな。


その後、カラオケで遊び予約していたカニ料理屋さんへ。

彼、カニ自体を食べるのが久しぶりにみたいで、「美味しい」って何度も言いながら食べてた。

特にカニ刺しが美味しくて、鍋にするカニ身も生で食べた。

「旨っ〜〜!」と、子供みたいに夢中になって食べている彼に母性本能感じてしまった。

彼が喜んで食べてる姿を見られて、幸せだな〜としみじみ思った。

今までも勿論、元彼達とはご飯食べに行ってたけど、どんな美味しいモン食べても、それだけでこんな幸せ感じた事もない。

不思議な感じだ。


ご飯を食べた後は桜の名所に、夜桜見物に。

寒くて、手が冷たくなっていると両手で私の手を包んでくれる彼。

来週は仕事が忙しくて会えない事、内勤の為電話も出来ない事、説明された。

「じゃあ、羽伸ばしておくね。そのまま飛んでっちゃうかもよ」と告げると「無理に小悪魔ぶらなくていいよ」って笑われた。


最初は、気持ちを全然セーブ出来たし、私の事を「女」として見ている彼に驚いたし、彼が私を好きな事理解できなくて、身体目当てのセフレ募集な人?とかって疑ったりしたけど、今は全然立場が逆で、完全に私の気持ちの方が大きくなってる。

イケメンでもないし、背も高いし、歳上でもないし、私のタイプから完全に外れてるのに。

年下狙いだった私に、1ヶ月だけ後に生まれた事を「僕も年下だよ」って言ってきたのは正直ヤラレタ。可愛い人だなって思った。

精神的に安定しているし、気分にムラとかないし、頼りになる人だから、今では歳上の方とお付き合いしている気分だけどね。


帰り道話の流れで親子関係の、話になり初めてストレートに「お母さんと仲悪かったの?」と、聞かれた。

あれは仲悪いと言うのかな。

答えを探していると、自然に話の流れを変えてくれた。助かった。


彼と会えない来週はスプリングクリーニングでもするかな。

まずはワンコとお花見しよう。

去年の今頃は、来年の桜はこの子見れないんだ...と泣きながら見た。

それが奇跡的に今、元気でいてくれている。

本当に奇跡としか言いようがない。

膀胱と両腎臓に、腫瘍が見つかりガンと言われて余命数ヶ月〜半年と言われたのに、生きてくれている。

去年の今頃は、ワンコの病気発覚、元婚約者がゲイである事が発覚→婚約破棄となり仕事も退職、そして私自身も日常生活が全く送れない程、首の病気が悪化し、長い間絶対安静食らい、生きていく全自信を失っていた。

ワンコが死んだら、私もさすがに人生終わらせようかなと考えていた。


今はそれが彼氏がいる。

っても、不倫だけど。

ってか、なぜ彼は妻帯者なんだ。

それを考えると、胸が締め付けられる。


こんなに私に気持ちあって奥さんにバレないの?私なら絶対に気付くよ...って彼に言うと

「絶対に大丈夫。バレない」って言う彼に、

「そう言われると、バレては困るけど、反面バレないように相当うまくやっているんだ。全く私との事を感じさせない位に上手くやっているのかと思うとそれはそれで切ないよ」と言ってしまった。

少し沈黙があり「それはそれで辛いな。確かに苦しいよな。ゴメン。」って謝られた。

謝る事で何も解決しないけどと前置きされたけど。


私から別れを告げないと、終わらないパターン確定なんだろうな...

意地悪

朝から、仕事で私の家の近くまで来てるとメールがあった。

スケジュールを聞いてみるも、午前中は忙しいけど、午後はフリーだよと。

でも会おうとは言ってこない。


うーん...年度末だし、忙しいだろうから我慢するよって返事だした。


すると、彼から「逢えるよ。夜遅くまでは無理だけど、4時間の休憩タイムなら行けるよ!

昨日沢山寝たから体力もあるし」と、私的にとても微妙な返信が来た。


4時間の休憩タイムって何?

めちゃくちゃヤル気やし、なんかそれだけみたいで、嫌だ。


でも、彼はそんな相手の気持ちを考えずに発言する人じゃないけどな〜?

わからん...


とりあえず、返信せずに放置。


すると待ち合わせ時間のメールが届いた。


どうしたもんか?

まぁ会って真相を聞いてみて本気で休憩だけ行くつもりなら、ちょっと拗ねていいかな?

ホテルは拒否してもいいかなと思いつつ待ち合わせ場所に。


待ち時間が少しあったので、一応近場のラブホで良さげなとこ探してみた。


待ち合わせ場所の地下の駐車場にいてると、圧迫感を感じ、車外で彼待ちした。

向こうから歩いてくる彼の姿を発見した時には、もう嬉しくて、微妙なメールの内容なんてどうでも良くなった。

私に尻尾がなくて良かったよ。


車に乗り込むなり「どこ行く??どうする?」と彼。

と言うか、あのメール何ですの?と質問すると、イタズラっ子みたいな顔になり「会いたいって雪に言わせよう思ったんだけど、言ってくれなかった... ちょっと意地悪した」


なんですと?!もぉー!と少し拗ねると「ゴメンゴメン。マジメなんだから(笑)」と、ニヤニヤされた。

ちきしょーっ。


悩みながらホテル行きたいのかと思って下調べしたんだけどーと、お目当てのラブホテルのページを彼に見せると目を丸くして

「ホンマに真面目やん!!冗談で言ったのにー!どんな反応するかなと思っただけやのにー!可愛いなー」と笑われた。


ラブホの検索とか、これどう?とかって言うのめっちゃ勇気いるのに...このヤロ〜!


話し合いの結果、私の大好きな洋食屋さんに行く事になった。

車の中ですぐに彼が私の手を求めた。

手を繋いで、やっぱり彼は繋いだ手をじ〜っと見つめている。とても満足そうに見える。

横から眺めていると、笑っているようにも見える。この仕草、しょっちゅう見る。

彼が私の事を、好きなのが見える時間だ。


駐車場からお店まで50m、歩く時も手を繋いだ。

日差しが、空気が、気温が風が彼が気持ちいい。

隣に大好きな彼がいる。

なんだか照れくさい。


私がトイレに行っている間にオーダーを済ましていてくれた彼。

私の分だけご飯は小盛りに頼んでいてくれた。

そういう配慮好きだ。女扱いっぽくて。

2人でモリモリ食べた。

そもそも私達は、会社ではドコドコのアレが美味しい、コレが美味しいって情報交換をよくしあっていた。

趣味があわないわけない。それも嬉しい。

大満足して駐車場に戻ると食べ過ぎて眠くなってきた。


結局、ホテルに入ってしまった。

部屋に入るなり彼に抱きついた。

また理性ストッパーが、ぶっこわれそうになった。

単にイチャイチャしたいだけなんだけど。

彼の腕の中にいると、すごく心がほぐれる。

緊張感が一気にほどける。

何なんだ?この心地良さ。

味わった事がない心地よさ。


また背中の同じ位置にホクロ見つけた!

こんな特徴的なホクロの位置が2つも同じだなんて、似ているのかな。


途中感じ過ぎたのか、彼に押さえつけられたのが、怖くなったのか一回軽くパニックになった。身動きが取れなくなって、彼を押しのけた。

彼も何か感じたようで、身体を離してくれて抱きしめてくれた。

大丈夫だよって言ってくれた。

でもやっぱり怖くなって身をよじらせ逃げようとすると、「大丈夫だから。しっかり俺に抱きついてごらん」と彼。

彼だ!大丈夫だ!と妙な安心感を得られた。

背が高くて、私より身体が大きくて、多分彼以外なら好きになんかなっていない。

どんな時でも私の身体を考えていてくれている。

後で聞いたけど、無意識の内に私は首を振ってしまっているようで、そのせいでまた持病が悪化しないように、片腕を回し支えていてくれていたみたい。それなのに、ゴメンよ....


ベッドの中で、彼に抱きしめられながら、少し眠った。神経質な私は、誰かと一緒になんか眠れない。

まして腕の中で抱きしめられながらだなんて、あり得ないのに。

彼の腕の中は、とても安らいで気付いたら眠ってる。

前にもこんな事があり「腕にヨダレ垂らしそうやったから起きたわ」って言うと、「ヨダレ位いいのに〜。でも自分自身が許せないんやな」って。

脳震盪起こしてヨダレ垂れて汚いから殴る元旦那と、同じ人類ですか?


帰りの車の中、来シーズンはまた一緒にスノーボード行けるかな?って話になった。

来年のスノーボードのシーズンには、あなたはまだいる?と、聞いてみた。

「間違いなくいるね!」

「私と別れたら泣いてくれる?」って聞くと、

「泣くどころか、死んでやる〜!!」って笑いながら言ってくれた。

「相当引きずるやろうな〜....」とも。


彼はポジティブで、あまり過去を振り返らないタイプだから、私とお別れしても2日位で立ち直りそうだったから、少し安心した。


「私、あなたに『依存』してると思う?」

って聞くと、

「間違いなく依存してるでしょ!」と。

え?これって依存なの?と、びっくりしていると

「俺も依存しまくってる。依存していないと、毎日毎日電話して、メールして、時間できたら会って...ってしないよ。こんなん初めてだよ」

と。


依存って悪い意味としか思ってなかったけど、彼に言われると、依存も悪くないな〜と感じた。

彼にかかると、全てがいいように変化する。


こんなに沢山の人がいる中で、出会い、好きになれた事、本当に有難う。

今でも彼の顔を見ると不思議な気持ちになる。

私が知っている仕事中の彼と今目の前で、ニコニコ笑って私だけに優しさ放出してくれている彼とのギャップに。

なんて書けば、言葉が追いつくのかな。

これが愛なのだと思う。

今まで出会った人と全然違う感情を抱いてる。

人生とは本当に不思議だ。


金曜日は2人でカニを食べに行く予定。

夜にカニ食べた後、お花見。

お昼から夜まで彼を独占できる。

なので、またホテルに行って今度はゆ〜〜っくりする予定。

映画でも一緒に見ようかな。