奇跡の軌跡

恋に落ちてしまった私の物語 / 私だけが独身

見て見ぬフリ

私、知ってる。

彼が私に会う時は指輪はずしてるの。

この前、ポケットの中に飴入れてあげようとしたら、慌ててたから指輪入ってるんだ!ってピンと来た。


デートの帰り道、飲みたくなったとコンビニにお酒買いに行くのも、「お酒臭さ」を出す為のカモフラージュなのも気付いてる。

「飲み会」って言って出て来てくれてるんだね。


土日は会えないから、何か理由をつけてコンビニに出掛けて、私に電話掛けてきてくれているんだね。


あなたが眠りに陥る直前まで、私が淋しくないようにってメッセージ送ってくれているのも気付いてる。

朝目覚めた時にも、一番にメッセージ送ってくれてるね。ありがとう。


土曜日の夕方なのに「また夜に電話するね」って間違って言っちゃったんだなと思っていたのに、本当に夜になって掛けて来てくれた。


私が沢山の嘘で傷付いてきたの知ってるから、どんな小さな約束も守ろうとしてくれている。

悪いのはあなたじゃないのに、あなたが傷を癒してくれてる。


ちょうど空いた隙間にストンって落ちてきたように現れて、シンデレラもびっくりする位にフィットして、離れられなくなっちゃった。

今、隣にあなたがいない事が不思議に感じる位、本当はずっとそばにいて欲しい。

片時も離れたくない位。

私はやっと出会えたって気持ちと、安心感があるけど、彼はどんな風に感じているのかな。

私は強烈に「縁」を感じるよ。


「幸せ。って言うよりもっといい言葉ないかなぁ。」って探してたね。

少ないけど生命保険の受取人を彼にしたくて、調べてみたけど、2親等以内でないと厳しいのね。私がいなくなっても、全てを捧げたいって本気で思ってる。


決して、恋愛経験数少ない方じゃない。

むしろ人より多いハズなんだけど、わかるのは、確実に今までと全く違うナニカを感じてる。

絶対に運命の人のハズだけど、それは私からの一方的なものなのかな。


あとどれだけ一緒にいられる時間があるのかな。

私の何を知っても「受け入れるよ」って言ってくれるけど、本心はあまり背負わせたくないんだよ。


最後に出会うんじゃなくて、最初に出会いたかった気持ちは変わらないよ。

もし私の事を好きになってくれていなくても、それでももっと早く出会いたかった人だよ。

「この人の為に生きたい」って初めて思った人だからね。


あとさ、私の手を自分の手の様に扱うとこ好きだよ。

いつも繋いだ私の右手を、見つめているよね。

そして、時に私の逆剥け?をもぎり取るね。

それ、結構おもしろいよ。

全部を支配されてもいいって思ってるから、私の身体の一部があなたのモノになったかのような錯覚起こすから。


気付いてる?

私がジュースを飲むと、あなたも同じようにジュース飲むね。

私が腕組みすると、あなたも同じようにするね。私の動作真似ちゃってるって気付いてる?

そんなトコも愛しいよ。


また眠れない夜を越えてしまった。

今日も貴方が、誰よりも幸せになるように

ビ〜〜〜〜ムっ!!

母とワタシ

彼は薄々、私と母の間にナニカあると感じていそう。

私が寝た切りになっても、大きな手術すら親にも相談せず1人で完結させているのを彼は知っている。

私から口を開くまで待つつもりなんだと感じる。

言えるかどうかわからないし、なんだか幸薄感すごくて恥ずかしくなる位だから、言えないかも。

その代わりにここに書き留めよう。


一言で言うと、私は母から精神的虐待を受けて育ちました。

きっかけは弟の存在かな。

弟が生まれてから母は、弟達ばかりを可愛がっていた気がします。

なので、私は子供が出来なかった母の姉に養子に出す話がずっと出ていました。

あんたは一番可愛くない。

そう言われ続けたけど、結局私を手離さなかった母。

12歳の頃、その母の姉が事故に遭い突然この世を去りました。

そのお通夜で、私は親戚中から責められました。「あんたが養子に行ってたら、◯◯は死ななかった」「養子がいてたら働きに出る事なんてなかった!」

「この人殺し!!」そう言われた。

母はかばってくれなかった。

そっか...私が殺しちゃったんだ....

でももう1人の母の姉が、普段怒らないのに大声をあげて、私をかばってくれた。

すごくそれを覚えている。

それから1年位時が経ち、少し傷口が癒えた頃に見てはいけない物を見てしまった。

宿題をしていて、わからない単語があったので親の辞書で調べようとしたら、レンガ色した辞書の中から、誰に宛てて書いたかわからない手紙が出てきた。

なんの気なしに読んでみると、母の懺悔だった。

その手紙には、私を養子に出さなかったばかりに姉が死ぬ事になった後悔が、これでもかと書かれてあった。

そして私を見るのも辛い、憎いと...


って事は、やっぱり殺したん私じゃね?!となった。

ハンマーで頭殴られた衝撃感じた。

まだ子供だったしね。

今なら私は悪くないとわかる。でもあの頃は、自分をとても憎んだ。


母に愛されたくて、勉強とかめっちゃ頑張った。英語のテストも1学期は100点と98点取った。

でも母は褒めてくれる事は全くなかった。

弟達ばかりを可愛がっているように思えた。

オカズの量が明らかに私だけ少ない。

家事を手伝っても失敗すると、責め続けられた。

親の事業失敗で倒産となり、

小学校から中学にあがるタイミングで引っ越しをしたものだから、中学校では知らない子ばかりで、浮いた存在になった。

そして虐められた。部活内で。

なんかもうどうでも良くなり、いわゆる不良グループの友達を作り、夜遅くまで遊んだ。

母との関係はますます悪化し、バイトでお金を自分で稼げるようになった高校の時は、教科書やら定期代やらも基本自分で稼ぐスタンスとなった。


母との関係がこじれると食事も私だけ数ヶ月与えて貰えなかった事も何度もある。

お腹が空き過ぎて、夜中にこっそり炊飯ジャーから、白飯を食べていると「勝手に人様の家の飯食べるな!」と怒鳴られたり、そんなの日常茶飯事だった。

日常的に言葉の暴言なんかもしょっちゅう。

父は見ないふりだった。

社会人になっても相変わらず言葉の暴力は続いた。

結婚が決まった時も、式の事で少し意見が食い違うと、母は私の戸籍?住民登録?を抜いて来た上、

早く出ていきやがれ!と、私の荷物を全部そとに放り投げ、「お前の戸籍は今日本にない状態じゃ!(多分、転出だけしたからそうなるのかな?)勝手にどこでも行きやがれ」と、怒鳴られ、靴も履かないまま放り出された。

さすがにこの時ばかりは、父が母に「お前は自分の娘にそんな酷いコト言えるんか!」と怒鳴ってくれた。

行く宛もなく、結婚後に住む家に転がりこむ事に。

ショックの余り、婚約者に泣きながら助けてとお願いした。

この事件が後に離婚の原因の一つにもなった。


お前なんか産むんじゃなかった。

お前の顔みたくない。

お前だけ可愛くない。

お前には一生何もして貰ったと思わんからな!

お前が嫌い!憎たらしい

こんな言葉達ををずーっと浴びせ続けられてきたから、甘えるなんて出来なくて、ずっと死にたかった。

自己否定ばかりし続けていた。

だから、こんなに自尊心が低くて歪んだ性格になってしまったと今でも感じる。


今でも、意識していないつもりでも、母に気に入られようと行動してしまう。旅行のプレゼントや現金は勿論、どこかに行った時はお土産、帰省する時も母や父が喜びそうなものたらふく買って帰る。


大人になって、離婚時のPTSDからの激鬱状態となり、拒食症にも陥り、自殺未遂をした事で精神科に入院するかしないかの時に、母は私の鬱状態を認めず、医者に食ってかかったそうだ。

身長161cmで体重が30kg切りそうになっていたのに、認める事をしなかったと聞いて、私は完全に母の事は諦めた。

死ぬまで分かりあえないのは、仕方ない。

距離を保ってお付き合いしようと。

そこからは楽になり、今も親子関係ってより、親戚付き合いみたいな感じでいる。

母も歳を取り、最近になって「申し訳ない事をした」と、ちょくちょく口には出してくるけど、軽く言われると余計にイラっとするので、触れて欲しくない傷となっているのかもしれない。


母親がこんなだから、私自身も「母親になる」事を諦めていた部分が少なからずある。

私みたいな子が生まれてくるのも嫌だったし、何よりどうやって人を愛したり甘えたりしたらいいのかわからなかったからね。


こんな状態の親子関係知ったら引くだろうな。

仲良く見えてそうだしね。


だから

愛されるには理由が必要。

見離されない為には、機嫌を損ねないようにしないと!って意識して生きてきてた。

彼に出会えて、まるまんまの私を愛してくれている事、本当に幸せに感じるのです。


やっぱこんな重い話し、彼にできないわ


昨日から持病が悪化し、数日間の安静が必要となった。

痛みがあるので、身体のサインと捉えおとなしくしようっと。

理由

夜の魔物はとても強くて、一瞬で私を闇に引きずり込み全てを台無しにする程のダメージを喰らわす。

明け方、「彼が大切なら、彼の大切にしている人達を傷付けちゃダメだ!手離す事も立派な愛だ!」とかって考えが頭をもたげ、小さな決心をさせる。


でも朝からのモーニングコールで

「雪、おはよう」と私の名を呼ぶ彼の声を聞くと、めきめき元気になり、夜の魔物は消え失せる。毎日こんなだ。


今日は、また仕事でこちらに来ているようで、

お昼前に彼から「一時間後にランチどう?」と待ち合わせ場所の地図付きでメールが届いた。


慌ててシャワーを浴び、髪を乾かし軽く化粧をし彼のもとに車を走らせる。

「会える!会える!会いたい!」気持ちがはみ出そうで困る。

この瞬間は、この気持ちが不倫とか許されないとか、全部吹っ飛んで単純に恋愛における男と女でしかない。

パーキングに着くと車内でパソコンに向かい仕事をしている彼の車に横付け。

全然気づいていないみたいで、窓越しに少し彼を眺めてた。 瓶に詰めて持って帰りたい....

私にやっと気付いた彼はニッコリしてくれた。

抱きつきたい衝動に駆られたけど、ここは会社近辺。

少し距離を取って歩く彼。


お目当てのカフェは貸切中で入れず、彼のリードでお好み焼き屋さんへ。


話の流れで、元彼と私との付き合い方の話になった。

10年付き合っていた事を知ると、さすがに彼も驚いていた。なんでそんなに長い事付き合っていたの?と問われ、最初は結婚する気がなかった事。私が病気で子供を産めない身体になってしまった事、彼も子供は欲しがっていなかった事、別れたり復縁したりで、気付いたら10年以上経過してしまっていた事を告げた。

私から復縁を迫った事は一度もなく、彼から途中、結婚を前提に付き合って欲しいと言われた事、安定した生活を望んでいた事を話した。


長年付き合っていた理由...絶対に暴力振るわないのと、閉じ込めたりしない、人間性を否定しない、生きるか死ぬか迷わなくていい、お酒飲んでも人変わらない点かな。すごく基準が低いけど。

これがなければ、他は我慢できるかなと思ってた。

元彼の子を産みたいとは一度も思った事はなく

信じたら救われるのかなって思ってた。

望んでいた安定した生活とは、金銭面ではなく、朝起きたら毎日隣に誰かいてくれる気配とか、雨の日は駅まで迎えに行ってあげたり、寒い日は灯油の補充お願いしたり、携帯が旦那さん名義にして貰えて家族割引とか受けれたり、家電が壊れたら相談できたり、めっちゃ些細な事に憧れてた。

だから最後まで、大事にして貰えなくても安心は出来るかもって間違った認識でいてた。

でも結局私が捨てられちゃったんだよね~


そんな風に話す私に、過去の事は気にならないよ。

むしろ、過去の事をこうして話せるって事は前進してるんだよ!

これからは前を向いて歩いて行こうねと言う彼に、

「前なんか向けない。未来を見ようとしたら悲しくなるから、私は上を向く!前は見ない!」と言い返してしまった。


大通りから少し離れた道を歩く時、一瞬手を繋いだ。

ダメ?と聞く私に優しい声で「いいよ」って言ってくれる彼が手を繋いだままポケットに導いてくれたけど、やっぱりダメだと思い、素早く手を離した。


代わりにペロンってお尻を痴漢したった。

笑ってた。


「毎日逢いたいよ、本当にそう思う」

「私は会いたいって思うんじゃなくて、ずっと一緒にいたい....離れている事に違和感を感じる」と自信なさげに小さい声で伝えた。


「わかるー!その感じ」と彼。

全部初めてな事を伝えた。

誰かの腕の中で眠った事も、ベッドの中でも自分から積極的に彼を愛する事も、こんなに好きな気持ちが溢れて、言葉にしてしまう事も。

身体も虜にしたいって気持ちも。


今までこんな風に愛された事ある?って聞く私に、「ないし!乳首舐められたのも初めてや!身体も虜にって言うけど、十分虜になってしまってるよ!」と、エロイ答えをくれた。


どちらかと言うと、全部苦手だった。

男性を気持ち悪い、汚いと思っていたのに、彼には何だってしてあげたくなる。

汚いだなんて1mmも思わない。笑わせたい!気持ちよくさせてあげたい!ただひたすらそう思う。


春の日差しを感じながら、こんな会話すら笑いながら話せる自分を嬉しく思った。

一年間ずっとずっと泣いて、泣き崩れて誰とも接触せず、閉じこもり時間が経過するのを待っていた。

どれだけ時間が経過しても苦しみは、埋まらなかったのに、今靴を履いて歩いてる。


お昼をご馳走になったので、せめてコーヒーを彼に買ってあげようとしたら、逆に彼が私の晩御飯にと、サンドイッチを買ってくれた!

お釣りはコインパーキングの代金にしな!とくれた。


キスしなくていいの?と別れ際に聞く彼。

誰もいない事を素早く確認して、彼のほっぺを両手でムギューって引っ張りながら、ブチューってしたった。

2人で笑った。


どう考えても、私の前に舞い降りてきたヒーローなんだよね。彼は。


....今日も別れようと思っている気持ちを持っている事言い出せなかった。